Halvfemsとは?90%FTP×36分のZwiftワークアウトの内容と走り方

Halvfemsとは?:90%FTPを12分×3本、ケイデンスを変えて走るZwiftのSSTワークアウト(1時間2分) ワークアウト解説

Halvfemsは、Zwiftのトレーニングプラン「Build Me Up」の第2週に入っているワークアウトです。名前はデンマーク語で「90」という意味で、そのとおり90%FTPの12分間を3本、合計36分走ります。パワーは3本とも同じですが、ケイデンスの指定が1本ごとに変わり、2本目と3本目では60〜100rpmの間で回転数を切り替えます。

この記事では、Halvfemsの構成、FTP別のワット数、3本の走り分け方、低ケイデンスの練習について研究でわかっていること、向いている人を解説します。

Halvfemsのポイント

  • 1時間2分・ストレスポイント68。90%FTPの12分を3本、間のレストは55%FTPで4分
  • 1本目は90rpmで一定、2本目は1分ごとに60rpmと90rpm、3本目は2分100rpmと1分65rpmを交互に
  • 強度はSST(FTPの88〜94%)の範囲。The GorbyやThe Wringerのような高強度インターバルとは、きつさの種類が違う
  • 低ケイデンスの区間に特別な効果があるかは、研究でもまだはっきりしていない

Halvfemsとは?名前はデンマーク語の「90」

Build Me Upは、Zwift公式ブログで「FTPを上げたい経験者向け」と紹介されているトレーニングプランです。期間は13週間、1週間の目安は4時間34分で、きついワークアウトを週4本こなすのが基本の形です。

プランを書いたのは、GC CoachingのコーチShayne Gaffney氏です。同氏の解説によると、Build Me Upには90%FTPを中心にしたスイートスポット(SST)のワークアウトが3本あり、名前はどれも各国語の「90」から取られています。

ワークアウト名前の意味プランの週
Devedesetクロアチア語で「90」第1週
Halvfemsデンマーク語で「90」第2週
Novantaイタリア語で「90」第3週

3本はアルファベット順に「やさしい→きつい」と並んでいて、Halvfemsはその真ん中です。GC Coachingは第2週を、FTPに近い強度で長めのインターバルに取り組む週と説明しています。

なお、Halvfemsはデンマーク語の数詞で、日本語での決まった読み方は見当たりません。本記事では英字のまま表記します。

Halvfemsの基本データ

項目内容
所要時間1時間2分
ストレスポイント(Zwift上の負荷指標)68
ゾーン別の時間Z1:22分/Z2:2分/Z4:37分/Z5:1分(Z3・Z6はなし)
90%FTPの合計時間36分(12分×3本)
収録トレーニングプラン「Build Me Up」第2週(What’s on Zwift?では「Threshold」のワークアウト一覧にも掲載)
考案者Shayne Gaffney(GC Coaching)

ゾーン別の時間では、90%FTPの区間がZ4に数えられています。ただし強度としては、FTPの88〜94%とされるSSTの範囲に入ります。SSTの考え方や効果はSSTとは?心拍数・パワーの目安とFTPを上げる効果で詳しく解説しています。

Halvfemsのメニュー構成

What’s on Zwift?に掲載されている構成を、ブロックごとに整理しました。

ブロック内容時間
ウォームアップ25%→75%FTPへ徐々に上げる7分
活性化30秒ずつ95%(95rpm)→105%(105rpm)→115%(115rpm)。それぞれのあとに30秒50%(85rpm)、最後に2分50%5分
① 1本目90%FTPを90rpmで12分
レスト55%FTP(85rpm)4分
② 2本目90%FTPのまま、1分60rpm→1分90rpmを6回12分
レスト55%FTP(85rpm)4分
③ 3本目90%FTPのまま、2分100rpm→1分65rpmを4回12分
クールダウン55%→25%FTPへ下げる6分
Halvfemsのワークアウト構成図。7分のウォームアップと30秒ずつの活性化(95・105・115%FTP)のあと、90%FTPの12分を3本(1本目は90rpm一定、2本目は1分60rpmと1分90rpmを6回、3本目は2分100rpmと1分65rpmを4回)、間に55%FTP×4分のレスト、6分のクールダウンで合計1時間2分

FTP別の目標ワット数(例)

%FTPをワットに直すと、次のようになります(小数点以下は四捨五入)。Zwiftは設定したFTPから自動で計算するので、FTPが正しく設定されていることが前提です。

FTP90%(メイン)55%(レスト)115%(活性化の最大)
150W135W83W173W
200W180W110W230W
250W225W138W288W
300W270W165W345W

3本の12分は「ケイデンス」で走り分ける

Halvfemsの特徴は、パワーは3本とも同じ90%FTPなのに、ケイデンスの指定が1本ごとに変わることです。

1本目:90rpmで一定に踏む

1本目は90rpmで12分。ケイデンスの切り替えがないので、出力を上げすぎず、3本走り切れるペースかどうかを確かめるつもりで踏みます。

2本目:1分ごとに60rpmと90rpmを切り替える

2本目は、1分60rpm→1分90rpmを6回繰り返します。60rpmの1分間はペダルが重く感じやすく、屋外の急な登りに近い踏み方になります。1分ごとに回転数を合わせ直すので、1本目より集中力が要ります。

3本目:2分100rpmと1分65rpmを交互に

3本目は、2分100rpm→1分65rpmを4回。Zwift Insiderの筆者はBuild Me Upの体験記で、3本目がいちばんきつかったと書いています。100rpmを2分保つのが大変で、間の65rpmの1分は立ちこぎにしたところ、心拍が下がらなかったそうです。

同じ体験記によると、ワークアウトの途中でコーチから「今日は90%FTPで12分を3本、85〜95rpmで」というメッセージが出ますが、ケイデンスが一定なのは実際には1本目だけです。2本目以降で慌てないように、構成を先に頭に入れておきましょう。

筆者の感想は「全体としてはそこまできつくない。SSTらしい、一定でしっかりきついワークアウト」というもので、前の週(Devedesetの10分のブロック)より少しきつくなった、とも書いています。

Devedeset・Novantaとの比較

Build Me Upの3本のSSTワークアウトを並べると、90%FTPの合計時間が週ごとに少しずつ増えていることがわかります(What’s on Zwift?の掲載値)。

ワークアウトプランの週所要時間ストレスポイント90%FTPの合計主な構成
Devedeset第1週1時間6230分10分×3本(90rpm/80rpm/ケイデンス変化あり)
Halvfems第2週1時間2分6836分12分×3本(2・3本目はケイデンス変化あり)
Novanta第3週1時間7040分20分×2本(ケイデンス変化あり)

1時間取れない日には、Build Me Up Liteに入っている「Halvfems Lite」(37分、ストレスポイント40)もあります。90%FTPの10分(90rpm)と、1分60rpm/1分90rpmを5回の10分で、90%FTPの合計は20分です。

低ケイデンスの区間に効果はある?研究ではまだはっきりしない

60〜65rpmのような低いケイデンスで踏む練習は、「脚の力がつく」「登りに強くなる」と言われることがあります。ただ、研究の結果はそろっていません。

  • 2009年・ニュージーランドの研究:ロードレーサー18人が4週間、片脚ジャンプと高強度のスプリント・インターバルを組み合わせた練習を、60〜70rpmか110〜120rpmで行いました。60〜70rpmのグループのほうがパフォーマンスの伸びが大きく、著者は「低ケイデンスのほうがおそらく効果的」とまとめています。
  • 2014年・ノルウェーの研究:よく鍛えたベテラン(平均47歳)22人が12週間、中くらいの強度(最大心拍数の73〜82%)で6分×5本を40rpmで週2回行いましたが、有酸素能力、パフォーマンス、脚の筋力に有意な改善は見られませんでした。同じ時間を自由なケイデンスで走ったグループは改善しています。
  • 2024年・ポーランドの研究:よく鍛えた女性サイクリスト24人が8週間のポラライズドトレーニングを行い、スプリントと高強度インターバルを50〜70rpmで行ったグループのほうが、80rpm以上のグループより最大有酸素パワーとVO2maxの伸びが大きくなりました。

3つの研究は、強度もケイデンスも対象者もばらばらです。しかも、Halvfemsのように90%FTP前後で低ケイデンスと高ケイデンスを切り替えるやり方を直接調べたものではありません。Halvfemsの低ケイデンス区間は、「特別な効果がある練習」というより、いろいろなケイデンスで同じパワーを出す練習と考えるのが無難です。

Halvfemsを走るときのコツ

FTPを正しく設定しておく

FTPが実力より高く設定されていると、90%FTPの36分はSSTではなく閾値に近いきつさになります。FTPを測っていない場合は、FTP測定方法を比較|Zwiftランプテストと20分テストのやり方を参考に、先にテストしておきましょう。FTPそのものの意味はFTPとは?1時間維持できるパワーの意味と測り方で解説しています。

ERGモードでは「回転数」に集中する

ERGモードでは、トレーナーが目標パワーを保つように負荷を変えます。ケイデンスを90rpmから60rpmに落とせば負荷が上がり、100rpmに上げれば負荷が下がるので、Halvfemsでは指定のケイデンスに合わせることだけに集中できます。

気をつけたいのは、疲れて回転が落ちたときです。ERGは回転が落ちるほど負荷を上げるので、そのままペダルが止まりそうになることがあります(Zwift Insiderでは「Spiral of Death」と呼ばれています)。60〜65rpmの区間で脚が止まりそうになったら、軽いギアに変えて回転を戻しましょう。

レストの4分で呼吸を整える

レストは55%FTP・85rpmの4分間です。止まらずに回し続けて、次の12分に向けて呼吸を整えます。3本目は100rpmを2分保つ区間があり、3本のうちいちばんきつくなりやすいので、2回目のレストで水分をとっておくと落ち着いて入れます。

Halvfemsが向いている人・取り入れ方

向いている人

  • SST (Short)などのSSTメニューに慣れて、次のステップを探している人
  • ケイデンスが変わっても出力を一定に保つ練習をしたい人
  • 1時間で、高強度インターバルほど追い込まずに質の高い練習をしたい人

注意したい人

  • FTPを一度も測っていない人(先にテストをしてから)
  • 前日に高強度の練習をして、疲れが残っている人

Build Me Upの外で使う場合

What’s on Zwift?によると、Build Me Upの第2週は、Halvfems、Orange Unicorn、Mishmash、What Goes Up, Must Come Downの4本です。プランに参加していなくても、単体のSSTメニューとして使えます。The GorbyやThe Wringerのような高強度の日とは別の日に入れると、それぞれの狙いがぼやけにくくなります。ほかのSSTメニューはZwiftおすすめワークアウト12選で目的別に紹介しています。

よくある質問(FAQ)

Q. Halvfemsの読み方は?

A. Halvfemsはデンマーク語で「90」を意味する数詞です。日本語での決まった読み方は見当たらず、デンマーク語の発音もカタカナでは表しにくいため、本記事では英字のまま表記しています。

Q. Zwiftのどこにありますか?

A. トレーニングプラン「Build Me Up」の第2週に入っています。What’s on Zwift?では「Threshold」のワークアウト一覧にも載っていて、「Available in Zwift」と表示されています。

Q. ERGモードはオンとオフのどちらがいいですか?

A. ERGオンなら、ケイデンスの指定に合わせるだけで90%FTPを保てます。オフにすると、ケイデンスが変わるたびにギアでパワーを合わせ直す必要があり、難しさが一段上がります。初めてならオンで走るのがおすすめです。

Q. 60rpmがきつすぎるときは?

A. 目標パワーを保てる範囲で、ケイデンスを少し上げても構いません。低ケイデンスに特別な効果があるかは研究でもはっきりしていないので、まずは90%FTPの36分を走り切ることを優先しましょう。

Q. HalvfemsでFTPは上がりますか?

A. Halvfems単体でFTPがどれだけ上がるかを示したデータは確認できませんでした。Build Me Upでは、Devedeset→Halvfems→Novantaと90%FTPの時間を少しずつ延ばしていく流れの一部として使われています。

まとめ

  • Halvfemsはデンマーク語で「90」。Build Me Up第2週にある、90%FTPの12分を3本走る1時間2分のSSTワークアウト
  • 3本はケイデンスで走り分ける:90rpm一定 → 60rpm/90rpm → 100rpm/65rpm
  • Devedeset(30分)→ Halvfems(36分)→ Novanta(40分)と、90%FTPの合計時間が少しずつ増える
  • 低ケイデンスの効果は研究でもはっきりしないので、「いろいろな回転数で同じパワーを出す練習」と考える

SSTの基本はSSTとは?、ほかのワークアウトはZwiftおすすめワークアウト12選やZwiftワークアウト解説まとめからどうぞ。

情報は確認日時点(2026年10月14日)のものです。Zwiftのワークアウト内容や収録先はアップデートで変わることがあります。

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