Jon’s Mix(ジョンズ・ミックス)は、Zwiftの共同創業者Jon Mayfieldが考案したワークアウトです。開発チームが新機能のテストに使っていたことでも知られています。1分間の高強度インターバル、10秒スプリント、10分間のスイートスポット(SST)の3種類を、54分20秒のなかで順番にこなします。
The Gorbyや The Wringerのように「1種類の刺激で限界まで追い込む」メニューではありません。短時間で幅広い強度を一通り踏める、いわばZwiftワークアウトの“幕の内弁当”です。この記事では、Jon’s Mixの構成、FTP別のワット数、走り方のコツ、向いている人を、What’s on Zwift?とZwift公式の情報をもとに解説します。
※ワークアウトの内容・収録コレクションはZwiftのアップデートで変わることがあります。本記事の情報は確認日(2026年10月3日)時点のものです。
Jon’s Mixとは?Zwift開発チームの“テスト用”ワークアウト
What’s on Zwift?の解説によると、Jon’s MixはZwift共同創業者のJon Mayfieldが作ったワークアウトで、Zwiftの開発チームが機能テストに広く使ってきたものです。Zwift公式ブログでも「co-founder Jon Mayfieldが開発テスト用セッションとして設計した」と紹介されています。
Zwift公式ブログは30〜60分のワークアウトを4段階の「フィットネス・ピラミッド」に分けており、Jon’s Mixは土台(Tier 1:The Foundation)に入っています。難易度は5段階中2で、「汗はたっぷりかくが、疲れ切ることはない」と説明されています。同じ記事で The Gorby と The Wringer は難易度5です。
Jon’s Mixの基本データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所要時間 | 54分20秒 |
| ストレスポイント(Zwift上の負荷指標) | 71 |
| ゾーン別の時間 | Z1:16分/Z2:15分/Z3:20分/Z6:4分(Z4・Z5はなし) |
| 公式の難易度 | 2/5(Zwift公式ブログ) |
| 収録コレクション | 30-60 minutes to burn(What’s on Zwift?の表記。「Available in Zwift」) |
| 考案者 | Jon Mayfield(Zwift共同創業者) |
Jon’s Mixのメニュー構成
What’s on Zwift?に掲載されている構成を、ブロックごとに整理しました。
| ブロック | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| ウォームアップ | 30%→70%FTPへ徐々に上げる | 6分 |
| ① 1分インターバル | 1分 150%FTP + 1分30秒 55%FTP を3回 | 7分30秒 |
| ② スプリント | 10秒 265%FTP を5本。間のレストは 2分(65%)→1分30秒(55%)→1分(45%)→30秒(35%)と短く・軽くなり、5本目のあとに5分(60%) | 約10分50秒 |
| ③ SST | 10分 89%FTP → 5分 60%FTP → 10分 89%FTP | 25分 |
| クールダウン | 70%→30%FTPへ下げる | 5分 |

※②の「約10分50秒」は、スプリント5本(計50秒)と、その間および直後のレスト(2分+1分30秒+1分+30秒+5分)の合計です。③の最初の10分の前にある5分レストは②に含めています。
なお、過去のZwift公式グループワークアウトの告知文では、①のレストが「1分 @55%」と書かれています。現在のワークアウトデータ(What’s on Zwift?)では1分30秒なので、本記事はWhat’s on Zwift?の数値に合わせています。
FTP別の目標ワット数(例)
%FTPをワットに直すと、次のようになります(小数点以下は四捨五入)。Zwiftは設定したFTPから自動で計算するので、FTPが正しく設定されていることが前提です。
| FTP | 150%(1分) | 265%(10秒) | 89%(SST) | 55%(レスト) |
|---|---|---|---|---|
| 150W | 225W | 398W | 134W | 83W |
| 200W | 300W | 530W | 178W | 110W |
| 250W | 375W | 663W | 223W | 138W |
| 300W | 450W | 795W | 267W | 165W |
FTPの意味や測り方はロードバイクのFTPとは?初心者でも分かる意味・測り方・使い方で解説しています。
3つのブロックで何を刺激しているのか
What’s on Zwift?は「1分間のバースト、全力スプリント、FTPのすぐ下にあたる“スイートスポット”の長いブロック2本」と説明しています。強度帯で言えば、次のように分けて考えると分かりやすいでしょう。
- ① 150%FTP×1分:FTPを大きく超える強度。Zwiftのゾーン区分ではZ6(無酸素域)に入ります。
- ② 265%FTP×10秒:ほぼ全力のスプリント。レストが1本ごとに短くなるので、後半ほど回復しきれない状態で踏むことになります。
- ③ 89%FTP×10分×2本:いわゆるSST(スイートスポット)の強度。前半で脚を使ったあとに行うため、新鮮な脚でやるSSTより苦しく感じます。
SSTの強度設定や効果はSSTとは?FTPアップに直結するスイートスポットの効果と実践法で詳しく解説しています。
Jon’s Mixの走り方とコツ
① 1分インターバルは「最初の1本で飛ばしすぎない」
150%FTPの1分は、ワークアウト開始から6分後に始まります。ウォームアップが短めなので、1本目で目標を大きく超えて踏むと、2・3本目と後半のSSTに響きます。ERGモードなら目標ワットに合わせて負荷が自動で調整されるので、ケイデンスを一定に保つことに集中しましょう(以下、ペース配分のアドバイスは編集部の見解です)。
② スプリントはERGの仕組みを理解して臨む
ERGモードは、ケイデンスに関係なく目標ワットになるようトレーナーが抵抗を調整する仕組みです。Zwift Insiderは、疲れてケイデンスが落ちると抵抗がさらに増え、最後はペダルが止まってしまう「Spiral of Death(死のスパイラル)」に注意するよう解説しています。抜け出すには、軽いギアに替えてケイデンスを上げることが勧められています。
また、ERGのオン/オフはワークアウト中でも、画面下のアクションバーやZwift Companionアプリから切り替えられます。10秒スプリントを自分のギア操作で踏みたい場合は、スプリントの前にERGを切り、SSTに入る前に戻すという使い方もできます。
③ SSTは「疲れた脚で一定に踏む」練習と割り切る
前半で無酸素域を使ったあとのSSTは、同じ89%でも数字以上にきつく感じます。ここで大事なのは、出力を上下させずに10分を淡々と刻むことです。1本目と2本目の間には5分のレスト(60%FTP)があるので、呼吸を整えてから2本目に入りましょう。
高強度のあとに一定ペースで踏む練習の考え方は、高強度の直後にZ2を入れると強くなる理由も参考になります。
④ 完遂できそうにないときは
体調や疲労によっては、無理に最後まで続ける必要はありません。Zwiftのワークアウトでは目標強度を手動で下げられます。たとえば同じZwiftのワークアウト「Aerobic Builds」の説明文にも、疲れている日は高い区間のワットを下げてよいと書かれています。強度を少し下げてでも一定ペースで走り切るのも一つの方法です(編集部の見解)。
Jon’s Mixが向いている人・向いていない人
向いている人
- 1時間以内で、スプリントからSSTまで幅広い強度を一度に練習したい人
- The GorbyやThe Wringerはまだきついが、高強度にも少しずつ慣れておきたい人(公式難易度はGorby・Wringerの5に対してJon’s Mixは2)
- 同じSSTメニューの繰り返しに飽きてきた人
- Zwiftレースのように、スタートダッシュやアタックのあとで一定ペースに戻る展開に慣れたい人(編集部の見解)
向いていない人・注意したい人
- FTPをまだ測っておらず、推定値のまま走っている人(150%や265%の目標が実力とずれやすくなります)
- ベース期で低強度だけを積みたい時期の人(Z2中心なら別のワークアウトが適しています)
- 前日に高強度練習をしていて、疲労が残っている人
Z2中心の練習についてはZ2トレーニングの効果とは?FTPを伸ばす有酸素基盤の科学をご覧ください。
Jon’s Short Mix(約30分版)との違い
時間がない日向けに、Jon’s Short Mixという短縮版もあります。What’s on Zwift?では「30 minutes to burn」コレクションに入っており、「Available in Zwift」と表示されています。
| 項目 | Jon’s Mix | Jon’s Short Mix |
|---|---|---|
| 所要時間 | 54分20秒 | 29分30秒 |
| ストレスポイント | 71 | 45 |
| 1分インターバル | 150%×3本(レスト1分30秒 55%) | 150%×2本(レスト30秒 64%) |
| スプリント | 10秒 265%×5本 | 10秒 300%×3本(レスト1分 75%) |
| SST | 10分 89%×2本 | 10分 89%×1本 |
他のZwiftワークアウトとの使い分け
| ワークアウト | 時間 | ストレスポイント | 主な刺激 |
|---|---|---|---|
| Jon’s Mix | 54分20秒 | 71 | 無酸素・スプリント・SSTのミックス |
| The Gorby | 1時間 | 81 | 110%FTP×5分×5本(VO2max) |
| The McCarthy Special | 1時間 | 90 | 100→112→125%FTP×各3分×3セット |
| The Wringer | 43分45秒 | 87 | 205%FTP×30秒×12本(レストが短くなる) |
| SST (Short) | 50分 | 66 | 96%と89%FTPを5分ずつ交互に40分 |
週に高強度を2回入れるなら、1回はGorbyやMcCarthyのような一点集中型、もう1回はJon’s Mixのようなミックス型、という組み合わせも考えられます(編集部の見解)。目的別の選び方はZwiftおすすめワークアウト12選でまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. Jon’s MixはZwiftのどこにありますか?
A. What’s on Zwift?では「30-60 minutes to burn」コレクションに分類され、「Available in Zwift」と表示されています。一方、Zwift公式ブログでは「Less than 60 minutes to burn」で探すよう案内されています。Zwiftは2023年10月(バージョン1.49)にワークアウトのコレクションを58から14に再編しているため、バージョンによって表示名が違う可能性があります。
Q. 初心者でもできますか?
A. Zwift公式ブログの難易度は5段階中2で、Zwiftのワークアウトのなかでは取り組みやすい部類です。ただし150%FTPや265%FTPの区間があるので、FTPを測ってから行いましょう。
Q. 毎日やってもいいですか?
A. Zwiftフォーラムでは「毎日やるとオーバートレーニングにならないか」という質問に対し、1回71ストレスポイントなので7日続ければ週497になる、高強度が含まれるので毎日は回復が追いつかない、といった意見が寄せられています(いずれもユーザーの意見です)。編集部としても、高強度を含むメニューは連日ではなく、Z2や休養日と組み合わせることをおすすめします。
Q. ERGモードはオンとオフのどちらがいいですか?
A. SSTブロックはERGオンのほうが出力を一定に保ちやすいでしょう。10秒スプリントは、ERGのままでも行えますが、自分でギアを操作して踏みたい場合はワークアウト中にERGを切り替えられます。
Q. Jon’s MixでFTPは上がりますか?
A. Jon’s Mix単体でFTPがどれだけ上がるかを示したデータは確認できませんでした。SSTを含むメニューなので、継続的なトレーニングの一部として組み込むのが現実的です。
まとめ
- Jon’s Mixは、Zwift共同創業者Jon Mayfieldが考案し、開発チームがテストに使ってきたワークアウト
- 54分20秒・71ストレスポイントで、150%FTP×1分、265%FTP×10秒スプリント、89%FTP×10分のSSTを1本でこなす
- Zwift公式の難易度は5段階中2。GorbyやWringer(難易度5)より取り組みやすい
- スプリント後のSSTは「疲れた脚で一定に踏む」意識で。ERGのオン/オフは途中で切り替えられる
高強度系のワークアウトにも挑戦したくなったら、The Gorby、The Wringer、The McCarthy Special、Rattlesnakeの解説もあわせてどうぞ。ほかのワークアウト解説はZwiftワークアウト解説まとめから探せます。
情報は確認日時点(2026年10月3日)のものです。Zwiftのワークアウト内容、収録コレクション、難易度表示はアップデートで変わることがあります。

