ロードバイクのFTPとは?初心者でも分かる意味・測り方・使い方を解説

FTP トレーニング用語

FTPとは?ロードバイクの基礎となる持久力指標

FTP(Functional Threshold Power)とは、「ロードバイクで1時間維持できる最大平均パワー」を示す指標です。ロードバイクの持久力レベルを客観的に把握でき、トレーニングメニューの作成やパワーゾーン設定に欠かせません。
本記事では、FTPの意味測り方トレーニングでの活用方法を初心者向けに分かりやすく解説します。

FTPの定義と意味

「Threshold(スレッショルド)」とは「閾値」という意味で、無酸素運動へ切り替わる境界を指します。FTP付近は、有酸素と無酸素のバランスが限界に近づく領域です。
この付近の強度を長く維持できるほど、レースやロングライドでの巡航力が高いことを示します。

初心者の方は、まず「FTP=体力レベルの基準」と理解すれば十分です。

FTPの測り方

FTPは実際に1時間全力走をしなくても、短いテストから推定できます。代表的な方法は次の2つです。

1. 20分テスト(最も一般的)

20分間の最大平均パワーを測定し、その95%をFTPとして算出します。
例:20分平均250W → FTP 238W

・メリット:精度が高く、最も広く利用されている
・デメリット:20分間全力で走る必要があり、体力的な負荷が大きい

2. Ramp Test(Zwiftで人気)

1分ごとにパワーが上がり続け、限界まで踏み続けて終了するテストです。その結果を元にFTPを計算します。
短時間で終わるため初心者でも挑戦しやすい方法です。

・メリット:短時間で終わる、疲労が残りにくい
・デメリット:20分テストと比べると推定精度が低くなる場合がある

FTPをどう使う?トレーニングの基本となるパワーゾーン

FTPが分かったら、次にパワーゾーンを設定します。これはトレーニング強度を段階ごとに分類したもので、目的の明確化に役立ちます。

  • ゾーン1:回復(55%以下)
    軽い回復走。疲労抜きに最適です。
  • ゾーン2:持久力(56〜75%)
    長時間続けられる有酸素運動。基礎的な持久力を育てる重要な強度です。
  • ゾーン3:テンポ(76〜90%)
    ややキツめの持続走。ロングライドの巡航力向上に効果があります。
  • ゾーン4:しきい値(91〜105%)
    FTP付近の強度。持久力の限界(しきい値)そのものを引き上げるトレーニングに利用します。
  • ゾーン5:VO2max(106〜120%)
    呼吸が苦しくなる高強度領域。心肺機能を大きく鍛えます。
  • ゾーン6:無酸素(121〜150%)
    数十秒の全力走などで使う領域。瞬発力を鍛えます。
  • ゾーン7:神経筋(最大パワー)
    1〜5秒のスプリントで使用される最強度です。

初心者がまず取り組むべきトレーニング

初心者の方は、まずゾーン2(持久力)ゾーン3(テンポ)を中心に行うことをおすすめします。
この2つが長期的に最も効果が出やすい土台作りの強度です。

FTPを上げたい場合でも、基礎持久力を高めることが前提となります。その上でゾーン4(しきい値)のインターバルを取り入れると、FTP向上につながります。

まとめ

FTPはロードバイクの持久力を客観的に示す重要な指標です。初心者の方が効果的にトレーニングするための基準となり、パワーゾーン設定の根拠にもなります。まずは一度テストを行い、自分の現在地を知ることから始めてみてください。

参考資料・出典

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