FTP測定方法を比較|Zwiftランプテストと20分テストのやり方・ERG設定

FTP測定方法を比較:Zwiftのランプテスト(1分ごとに+20W、最高1分平均×0.75)と20分テスト(20分平均×0.95) トレーニング用語

パワーメーターやスマートトレーナーを手に入れたら、最初にやっておきたいのがFTPの測定です。ただ、Zwiftには「ランプテスト」と「20分テスト」があり、「どちらを選べばいい?」「ERGモードはオンのままでいいの?」と迷う方も多いはずです。

この記事では、ランプテストと20分テストの違いを表で比較し、Zwiftでの具体的な手順と、テストごとのERGの扱いを、Zwift公式の説明に沿って解説します。

※Zwiftのテスト内容や画面の表記は、アップデートで変わることがあります。本記事の情報は確認日(2026年10月4日)時点のものです。

結論:初めてならランプテスト、ペース配分に慣れたら20分テスト

  • ランプテストは、1分ごとに目標パワーが20Wずつ上がり、ペダルを回せなくなるまで続けるテストです。Zwiftはテスト中の最高の1分平均パワー×0.75をFTPとして自動で計算します。ペース配分が要らないので、初めての人に向いています。
  • 20分テストは、20分間をできるだけ高い平均パワーで走り切るテストです。Allen & Cogganの方法では、20分平均パワー×0.95をFTPとします。精神的にも体力的にもきつく、ペース配分の経験が必要です。
  • ERGは、ランプテストではオンにしておくのが基本です(Zwiftのスタッフがフォーラムで推奨)。20分テスト(FTP Test (Standard))の20分区間は、ERGが使われず一定の抵抗になるので、自分でギアを変えてパワーを調整します。

FTPテストの前に知っておきたいこと

FTPとは(おさらい)

FTP(Functional Threshold Power)は、おおむね1時間維持できる最大の平均パワーの推定値で、Zwiftではワークアウトの目標パワーや難易度の基準に使われます。意味やパワーゾーンとの関係はロードバイクのFTPとは?初心者でも分かる意味・測り方・使い方で、測った値が平均と比べてどのくらいかはFTPの平均は?男女・レベル別の目安で解説しています。

必要な機材

FTPテストには、パワーを計測できる機材が必要です。室内ならパワー計測機能のあるスマートトレーナー、屋外ならパワーメーターを使います。ERGモードは対応したトレーナーでなければ使えません。これから機材を選ぶ方は、スマートトレーナーの選び方とパワーメーターの選び方を参考にしてください。

Zwiftで選べるFTPテスト

Zwift公式サポートでは、次の4種類のテストが案内されています。一般のライダーが使うのは、上の3つです。

テスト対象内容補足
FTP Test (Standard)一般的なFTPの測定ウォームアップ、ランプ、5分間の負荷、20分間の全力走FTPは最後の20分区間をもとに算出
FTP Ramp Test体重60kg以上、経験のあるライダー段階的に負荷が上がるランプテスト開始時にFTPが「100」と表示されることがある。最終的なFTPはワークアウト中に計算される
FTP Ramp Test (Lite)体重60kg未満、経験の浅いライダー段階的に負荷が上がるランプテスト同上
Elite Racing Verification Testエリートレースの事前認証用複数回の時間を決めた全力走ERGモードは使われない
ZwiftのFTPテスト(Zwift公式サポートの一覧をもとに作成)

ランプテストと20分テストの比較

項目ランプテスト(Zwift)20分テスト
全体の時間限界までの時間で変わる(ウォームアップ+1分ごとの段階+クールダウン)ZwiftのFTP Test (Standard)は45分。Allen & Coggan式は手順どおりだと合計約1時間半
全力で走る時間負荷が上がりきる最後の数分20分(Allen & Coggan式・Zwiftとも、その前に5分間の高強度区間あり)
きつさ最初は楽で、最後の数分が非常にきつい20分間ずっときつく、精神的にも体力的にも負担が大きい
FTPの計算式テスト中の最高の1分平均パワー×0.7520分平均パワー×0.95
ペース配分不要(目標パワーが自動で上がる)必要(前半に飛ばしすぎると失速する)
メリット短い全力で終わる。ペース配分の経験がなくても測れる20分間の持続的な努力から推定するので、精度を重視する人に向く
デメリット無酸素の力が強い人は、FTPが高めに出ることがある慣れないと前半に飛ばして失速しやすく、本来の力を出し切れない
向いている人初めてテストする人、ペース配分に自信がない人精度を重視する人、20分の全力走の経験がある人
ランプテストと20分テストの比較

Zwift Insiderは、初めてFTPを測るならまずランプテストで大まかな値を出し、次回はその値を目安に20分テストでペースを組み立てる、という進め方をすすめています。どちらのテストでも、前回と比べるときは同じ種類のテストを使うと、変化を読み取りやすくなります。

Zwiftのランプテストのやり方

Zwiftのランプテストの仕組みを示す模式図。1分ごとに目標パワーが上がり(ランプテストは+20W、Liteは+10W)、ペダルを回せなくなるまで続ける。テスト中の最高の1分平均パワー×0.75がFTPになる(例:320W→240W)

手順

  1. Zwiftのホーム画面でWORKOUTSを選びます。
  2. WORKOUT COLLECTIONSの画面でFTP Testsを選びます。
  3. FTP Ramp Test(体重60kg未満の人や経験の浅い人はFTP Ramp Test (Lite))を選び、START RIDEを押します。
  4. コースを選んでSTART WORKOUTを押します。ランプテストでは、ERGがオンになっているかを確認しましょう(アクションバーから切り替えられます)。
  5. 最初は楽な負荷から始まり、1分ごとに目標パワーが20W上がります。サドルに座ったまま、一定のケイデンスを保ってペダルを回し続けます。
  6. 抵抗に負けてペダルを回せなくなったら終了です。Zwiftのスタッフによると、止まって約3秒で「I’m Toast!」のメッセージが表示されるので、OKを押す(または約10秒待って自動で閉じる)と、新しいFTPが計算されます。
  7. FTPが前より上がっていれば、「New FTP set!」の表示とともに新しい値が設定されます。

Zwiftのスタッフは、ランプテストはそのセッションで行う唯一のワークアウトにすることもすすめています。ほかのライドのあとに続けて行うのは避けましょう。

FTPの計算方法

Zwift公式ブログによると、ランプテストのFTPはテスト中の最高の1分パワー×0.75で、計算はZwiftが自動で行います。たとえば最高の1分平均パワーが320Wなら、FTPは320×0.75=240Wです。テストの開始時にFTPが「100」と表示されることがありますが、最終的なFTPはワークアウト中に計算されるので、気にせず続けて大丈夫です(Zwift公式サポート)。

Ramp Test (Lite)との違い

Liteは、低いパワーから始まり、1分ごとに10Wずつ上がるランプテストです。Zwift公式サポートでは、体重60kg未満の人や経験の浅いライダー向けとされています。Zwift Insiderは、FTPがわかっていて175W未満の人にもLiteをすすめています。段階が細かいため、FTPが低めの人でもより正確な結果が得られるとしています。

20分テストのやり方

ZwiftのFTP Test (Standard)

Zwiftで20分テストを行うなら、FTP Test (Standard)を選びます。手順はランプテストと同じで、FTP Testsの一覧からこのテストを選び、START RIDE、コース選択、START WORKOUTの順に進みます。

Zwift Insiderによると、このテストは全体で45分です。ウォームアップにはFTPの110%で3分、続けて120%で2分の区間があり、脚の「フレッシュさ」を少し削ってから20分の計測に入ります。こうすることで、20分間のパワーに無酸素の力が上乗せされにくくなります。FTPは最後の20分区間の平均パワーの95%として計算されます。

Allen & Coggan式の20分テスト(屋外・パワーメーター)

屋外でパワーメーターを使って測る場合は、Hunter AllenとAndrew Coggan(『Training and Racing with a Power Meter』の著者)が広めた方法が定番です。Hunter Allenが紹介している手順は次のとおりです。

Allen & Coggan式20分テストの流れ。ウォームアップ20分、速回し1分×3本、5分楽に、5分全力、10分楽に、20分テスト、各10〜15分のクールダウン。20分平均パワー×0.95がFTP(例:300W→285W)
  1. ウォームアップ20分:最大心拍数の65%程度の楽なペースで走ります。毎回同じ内容・強度で行うのがポイントです。
  2. 速回し1分×3本:100rpmで1分、間に1分の楽なペダリングをはさんで3本行い、そのあと5分楽に走ります。
  3. 5分間の全力走:最初から高いペースで入りつつ、最後の1分でスパートできる余力を少し残して、5分間全力で走ります。脚を目覚めさせると同時に、走り始めのフレッシュさを使い切る目的があります。
  4. 10分楽に走る:持久走ペースで回復します。
  5. 20分テスト:できるだけ平坦で、一定の力で踏み続けられる道で、20分間の平均パワーが最も高くなるように走ります。
  6. クールダウン:持久走ペースで10〜15分、さらに楽なペダリングで10〜15分走って終わります。

20分の平均パワーから5%を引いた値(20分平均×0.95)がFTPです。Hunter Allenの例では、20分平均が300Wなら、FTPは285Wになります。5%を引くのは、FTPが本来「約1時間維持できるパワー」だからです。

ペース配分のコツ

20分テストで一番多い失敗は、最初に飛ばしすぎて後半に失速することです。Hunter Allenは、最初の2分は自分のFTPと思う値より少し低めに入り、徐々に上げていき、最後の3分で出し切ることをすすめています。前回のランプテストの結果がある場合は、その値をスタートの目安にするとペースを組み立てやすくなります。

ERGはオン?オフ?テストごとの設定

ERGモードは、ワークアウトの目標パワーに合わせてトレーナーの抵抗を自動で調整する機能です。ケイデンスが下がると抵抗が増え、上がると抵抗が減って、目標パワーを保ちます。ワークアウト開始後は、アクションバーからオン・オフを切り替えられます(Zwift公式サポート)。

テストERGの基本計測中にやること
ランプテスト(Lite含む)オン(Zwiftのスタッフが推奨)目標のケイデンスを保ってペダルを回し続ける
FTP Test (Standard)の20分区間ERGは使われない(一定の抵抗)自分でギアを変えて、狙ったケイデンスとパワーに合わせる
屋外の20分テスト—(ERGなし)ギアとケイデンスでパワーを保つ
FTPテストとERGの関係

ランプテスト:基本はERGオン

Zwiftのスタッフは、フォーラムでランプテストについて「ERGモードをオンにする。オンならランプテストが抵抗を調整するので、やることはペダルを速く回し続け、ケイデンスの目標に合わせることだけ」と回答しています。ERGオンなら、1分ごとに上がる目標パワーにトレーナーが合わせてくれるので、ギア操作に気を取られずに済みます。

終盤は、疲れてケイデンスが落ちるほど抵抗が増えていきます。最後は回せなくなるまで粘るテストなので、それで問題ありません。ケイデンスを急に変えず、一定に保つのがスムーズに進めるコツです。

なお、Zwift公式サポートのFTPテストのページには、「FTPテスト中にERGモードを使っていても、テスト区間では抵抗が自動調整されず中立に保たれるので、ギアを手動で変える必要がある」とも書かれています。この記述はランプテストを特に区別していないため、上のスタッフの回答と食い違って見えます。ランプテスト中に目標パワーが上がっても抵抗が変わらないと感じたら、ギアを重くして目標パワーに合わせてください。

20分テスト:計測区間ではERGが使われない

FTP Test (Standard)の20分区間は、目標パワーのない「フリーライド」区間です。Zwift公式サポートによると、フリーライド区間ではERGが自動でオフになり、自分でギアとケイデンスを変えて強度を調整します。区間が終わると、ERGは自動でオンに戻ります。

Zwift Insiderによると、この20分区間ではゲーム内の勾配がトレーナーの抵抗に反映されず、平地を走っているような一定の抵抗になります。上り坂のあるコースを選んでもペースが乱れることはありませんが、ギアを変えなければパワーは上がらないので、テスト前にギアの使い方を確認しておきましょう。ERGをオンにしたまま始めて問題ありません。

ERGをオフにする・ERG非対応の機材の場合

ERGに対応していないトレーナーや、パワーメーターだけで室内テストをする場合は、ランプテストの目標パワーに自分でギアとケイデンスで合わせることになります。1分ごとに上がる目標に遅れずついていく必要があるので、ERGオンより操作は忙しくなります。20分テストは、もともと自分でギアを変えるテストなので、ERGの有無による違いはほとんどありません。

テスト結果の使い方と注意点

  • FTPが下がったときは手動で設定する:テスト後にZwiftが新しいFTPを自動で設定するのは、前の値より上がったときです。Zwift Insiderによると、ゲーム内のFTPが自動で下がることはありません。結果が前より低かった場合は、自分で計算した値を手動で入力し直しましょう。
  • テストの頻度:Zwift公式ブログでは、一般的に6〜8週間ごとのテストが理想とされています。トレーニングプランを進めているときや、練習の強度を上げているときは特に、定期的に測りましょう。
  • 自動検出も活用する:Zwiftは、ワークアウトやイベント、レース、フリーライド中の8〜60分の努力からFTPの向上を自動で検出し、上がっていれば通知します。
  • 体調を整えて臨む:どちらのテストも最後は限界まで追い込みます。疲労が残っている日や体調が悪い日は避けましょう。持病のある方や運動習慣のない方は、事前に医師に相談してください。

FTPが決まったら、目的に合ったワークアウトで練習を始めましょう。目的別の定番メニューはZwiftおすすめワークアウト12選でまとめています。

よくある質問(Q&A)

Q. ランプテストと20分テストで、FTPの値が違うのはなぜ?

A. 計算のもとになる時間が違うためです。ランプテストは最高の1分パワーから、20分テストは20分の平均パワーからFTPを推定します。Zwift Insiderは、無酸素の力が有酸素の力に比べて強い人は、ランプテストでFTPが高めに出ることがあると説明しています。どちらが自分に合うかは、新しいFTPでワークアウトをしてみて、目標パワーをこなせるかで判断するとよいでしょう。

Q. ランプテストの開始時にFTPが「100」と表示されます

A. Zwift公式サポートによると、ランプテストでは開始時にFTPが100と表示されることがあります。最終的なFTPはワークアウト中に計算されるので、そのまま続けて問題ありません。

Q. テストが終わってもFTPが更新されません

A. 結果が前のFTPより低い場合、Zwiftは自動で更新しません。ランプテストなら最高の1分平均パワー×0.75、20分テストなら20分平均パワー×0.95で計算し、手動で設定してください。

Q. 20分テストの途中でERGをオフにする必要はありますか?

A. ありません。FTP Test (Standard)の20分区間はフリーライド区間なので、ERGは自動でオフになり、終わると自動でオンに戻ります。20分区間では、自分でギアを変えてパワーを調整してください。

Q. テストをしなくてもFTPはわかりますか?

A. Zwift公式サポートによると、テストをしていない場合、Zwiftは体重と最初に選んだフィットネスレベルからFTPを推定し、走り始めてからはパワーのデータをもとに推定します。ただし、推定値は実力より高く設定されることがあり、ワークアウトがきつすぎる原因になります。ワークアウトを本格的に始めるなら、一度テストで測っておくのがおすすめです。

まとめ

  • ランプテスト:1分ごとに+20W(Liteは+10W)、最高の1分平均パワー×0.75。ペース配分が要らず、初めての人向け
  • 20分テスト:20分平均パワー×0.95。きついがFTPに近い強度を長く走るテストで、ペース配分の経験がある人向け
  • ERG:ランプテストはオンが基本。20分テストの計測区間はERGが使われないので、ギアで調整する

まずはランプテストで現在のFTPを確認し、慣れてきたら20分テストにも挑戦してみてください。正しいFTPを設定しておくと、毎日のワークアウトで狙いどおりの強度で練習できます。

情報は確認日時点(2026年10月4日)のものです。Zwiftのテスト内容や表示はアップデートで変わることがあります。

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