ヤビツ峠は、神奈川県秦野市に位置する関東屈指の定番ヒルクライムです。 なかでも表ヤビツは、初めてヒルクライムに挑戦する人から、何度も走り込んでいる経験者まで、幅広いサイクリストに親しまれています。
一方で、距離や勾配のイメージ、スタート地点の考え方、走りどころを知らずに挑戦すると、「思ったよりキツい」「ペース配分を間違えた」と感じやすい峠でもあります。 特に初挑戦の場合は、事前にコースの特徴を把握しておくだけで、安心感や走りやすさが大きく変わります。
本記事では、表ヤビツに焦点を当て、基本データや区間ごとの特徴、初挑戦時に知っておきたい注意点、タイムの目安、観光要素までをまとめて解説します。 これからヤビツ峠を走ってみたい方はもちろん、過去に登ったことがある方にとっても、情報の整理として役立つ内容を目指しています。
ヤビツ峠(表ヤビツ)とは?
ヤビツ峠は、神奈川県秦野市と清川村を結ぶ峠で、関東エリアでは特に知名度の高いヒルクライムスポットです。 名古木交差点側から登るルートは表ヤビツと呼ばれ、多くのサイクリストが基準コースとして走っています。
なお、ヤビツ峠には宮ヶ瀬側から登る裏ヤビツと呼ばれるルートも存在します。 本記事では表ヤビツを中心に解説し、裏ヤビツについては別記事で詳しく紹介します。
ヤビツ峠・表ヤビツの基本データ

| 所在地 | 神奈川県秦野市 |
|---|---|
| ルート | 名古木交差点からヤビツ峠(表ヤビツ) |
| 距離 | 約11.7km |
| 獲得標高 | 約650m |
| 平均勾配 | 約5〜6% |
| 最大勾配 | 約10%前後 |
| 路面状況 | 舗装路(概ね良好だが、場所によって荒れた箇所あり) |
| 交通状況 | 一般車両と路線バスが通行(交通量は多くないが注意が必要) |
| 特徴 | 勾配が比較的一定で、休める区間が少ない定番ヒルクライム |
表ヤビツの特徴と難易度
表ヤビツは、極端な激坂が連続するタイプの峠ではありませんが、勾配が比較的一定で、長時間にわたって登りが続くのが特徴です。 そのため、短時間で終わる登りではなく、じわじわと体力を消耗しやすいコースといえます。
事前に「途中で楽になる区間が少ない峠」であることを理解しておくことで、走行中の精神的な負担を軽減しやすくなります。
区間ごとの特徴と走りどころ
序盤(名古木〜蓑毛)
表ヤビツの序盤は、名古木(ながぬき)交差点付近から始まります。 序盤には一部、平坦やわずかな下り区間も含まれますが、「これから本格的に登る」という感覚を早い段階から感じやすい区間です。
周囲に建物や交差点があり、交通の気配を感じながら走ることになります。 比較的ペースが上がりやすいため、最初から踏みすぎないよう注意が必要です。
この序盤区間の最後には、表ヤビツの中でも最もきついと感じやすい区間があります。 通称蓑毛ストレートと呼ばれ、目の前に壁が現れたような感覚になり、見ただけできつさが伝わるポイントです。
この区間では勾配約10%前後が続き、脚だけでなく精神的にも負担がかかります。 無理に粘らず、「ここを越えれば一段落する」という意識で進むのがおすすめです。
中盤(蓑毛〜菜の花台)
蓑毛を過ぎると、表ヤビツらしい淡々とした登りが続く中盤区間に入ります。 勾配は大きく変化せず、一定のペースで登り続ける時間が長く感じられるでしょう。
景色が少しずつ開ける場所もありますが、明確に休める区間は少なく、体力は着実に消耗していきます。
終盤(菜の花台〜ヤビツ峠)
菜の花台と呼ばれる展望台がある駐車場を過ぎると終盤区間に入ります。 ゴールは近づいていますが、勾配が一段重く感じやすく、精神的にもきつくなりやすい区間です。
同じような景色が続きやすく、進んでいる実感を得にくいため、距離以上に長く感じることがあります。
無理にペースを上げず、一定のリズムを保ったまま登り切ることを意識すると、安定した走りにつながります。
ヤビツ峠・表ヤビツ初挑戦ガイド
初めてでも登れる?難易度の考え方
表ヤビツは距離があり決して楽な峠ではありませんが、激坂が連続するコースではありません。 そのため、初めてのヒルクライムでも完走を目指すことは十分に可能です。
途中でペースが落ちたり、きつく感じたりするのは自然なことです。 初挑戦ではタイムよりも、安全に登り切ることを優先しましょう。
走る前に知っておきたいポイント
補給と水分
登り始めると補給できる場所はほぼありません。 事前に飲み物を用意し、必要に応じて補給食を携帯しておくと安心です。
中盤区間に入る直前に自動販売機があります。その先は建物もなくなり本格的に山に入る為、無理せず休憩しましょう。次に飲み物が買えるのはゴール地点です。
※休日などに菜の花台にキッチンカー等が出ている日もありますが、確実なものではありません。
服装と気温差
平地では暖かく感じる日でも、山頂付近では気温が下がることがあります。 下りで体が冷えやすいため、防寒対策も考慮しましょう。
走る時間帯
表ヤビツは交通量が極端に多い道路ではありませんが、一般車両や路線バスが一定数通行しています。 道幅が狭い区間もあるため、常に周囲の状況に注意することが大切です。
スタート地点の考え方と信号について
名古木交差点付近から登り始める場合、途中に信号が2つあります。 走行タイミングによっては停止することもあります。
タイム計測を目的とする場合は、2つ目の信号を実質的なスタート地点とする考え方もあります。 初挑戦や観光目的であれば、スタート位置を厳密に意識する必要はありません。
余談|「名古木のセブンイレブン」の呼び方に注意
名古木交差点にあるセブンイレブンは、「名古木のセブン」「名古木セブン」と呼ばれることが多くなっています。
ただし、正式な店舗名としてのセブンイレブン名古木店は別の場所にあります。 名古木交差点にある店舗の正式名称はセブンイレブン秦野落合北店です。
集合場所を設定する際は、「名古木交差点のセブン(秦野落合北店)」と補足すると安心です。
表ヤビツのタイム目安(参考)
以下のタイムはあくまで目安です。 体調や天候、走り方によって前後する点を前提として参考にしてください。
初挑戦・完走目的の場合
初めて表ヤビツに挑戦する場合、60分前後が一つの目安です。
慣れてきた人の目安
複数回走行した経験がある場合、40〜50分台が目安になります。
タイム狙いの場合
30分台で登る層は、一定以上の経験と脚力を備えたサイクリストといえるでしょう。 交通状況や路面状況には十分注意してください。
まとめ|表ヤビツは「準備で印象が変わる定番ヒルクライム」
表ヤビツは、初挑戦から経験者まで幅広く楽しめる定番のヒルクライムです。 事前にコースの特徴や注意点を把握しておくことで、不安を減らして走ることができます。
初めて挑戦する場合は、タイムよりも安全と完走を優先し、自分のペースで登ることを意識しましょう。 景色を楽しみながら走るのも、表ヤビツならではの魅力です。
ヤビツ峠には、表ヤビツとは異なる特徴を持つ裏ヤビツもあります。 こちらについては別記事で詳しく紹介します。

